浦河教会外観

前史

1886年6月23日
「浦河公会」設立のため来道したアメリカン・ボード日本代表O.H.ギューリック、神戸教会牧師原田助は、公会設立式後滞在し浦河、西舎などで伝道集会を行いました。

1895年
「浦河講義所」が設置され、1899年に「浦河組合基督教会」として独立しました。

1900年と1903年
浦河大火で会堂を焼失、二回とも直ちに新会堂を建築しました。1908年2月三度目の大火に見舞われ、住民の多くが罹災し、復興は厳しく、1912年元浦河組合基督教会に合併を申し入れ解散しました。

正史

1956年
「北海道特別開拓伝道」の指定を受け、信徒の住宅を礼拝所に「浦河伝道所」を開設しました。激変する社会状況のもと若者たちの流出や専任者の不在などで伝道所の存続が危ぶまれる中、少数の信徒は、転勤で来浦した者、他教派の信徒や求道者、地域の人々の協力を得て教会活動の維持・発展に励みました。

1975年
信徒の一人が教会維持のため、会員が会堂内に居住する構想の下に私財を投じて新会堂を建築・献堂しました。

1980年
苫小牧地区共同牧会構想のもと浦河伝道所、元浦河教会、幌泉教会(通称日高三教会)は、地区、教区との連帯の中で専任牧師を招聘しました。

この頃から浦河赤十字病院に勤務するソーシャルワーカーと精神科医、浦河伝道所の牧師は、三者連携により精神障がい者を病院から解放、旧会堂を住居として提供し、日高昆布を商品化する作業を採用した新しい教会のありようを模索・試行しはじめました。

1984年
精神障がい者が入居した旧会堂を「べてるの家」(旧約聖書創世記28:19)と命名し、昆布作業は教師の連れ合いが担当しました。障がい者らを中心に全国の諸教会を主なる販路とする、産地直送の昆布製品製造販売の拠点を立ち上げ、精神障がい者地域共同作業所として認可されました。

2002年
社会福祉法人「浦河ベてるの家」を設立しました。この間2001年から「当事者研究」を開始し、現在、この活動は全国、世界に拡大しています。

浦河伝道所は、こうした活動をになう精神障がい者と、これに付きそう者の中から会員となった者、礼拝に出席している者を主体に構成され、主日礼拝、祈祷会を基盤に、全国各地、諸職場・研究機関へ出向き宣教活動を展開しています。

2016年7月
浦河の地に福音が宣べ伝えられてから130周年、伝道所が開設されてから60周年を感謝し、さらなる宣教の展望を拓いていくことを願い、教会の設立しました。

2019年4月
教会設立準備の過程で既存建物の老朽化、激しい劣化状況、耐震基準・冬季のスリップ対応、高齢者・障がい者のためのバリアフリー化が課題となりました。加えて、ここ浦河沖は「地震の巣」と呼ばれるほどに地震多発地域にあることなどを検討して、既存建物の除去、会堂の新築を決断しました。